13日23時48分が上弦だけど、この時間は月齢8.8。
「国民の皆さんが力をあわせることで、この危機を乗り越えていくことができる」などと、この国の首相は国民等しく苦難を分かち合うような口ぶりだが、計画停電の停電時間の分配や地域割りを見れば、影響がほとんどないような国民と甚大な被害を被る国民にハッキリ分かれ、実のところ政府がナニを大事にしているか見えてくる。そもそも津波と違って、この原発事故は「人災」なんだぜ。2007年、某政党が東電に対して突きつけた申し入れに、こんな項目がある。長いけど、一部引用。興味ある方はリンクを。
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福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになっている。これは原子炉が停止されても炉心に蓄積された核分裂生成物質による崩壊熱を除去する必要があり、この機器冷却系が働かなければ、最悪の場合、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険がある。そのため私たちは、その対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた。
柏崎刈羽原発での深刻な事態から真摯に教訓を引き出し、津波による引き潮時の冷却水取水問題に抜本的対策をとるよう強く求める。
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苛酷事故というのは、メルトダウン(炉心溶融)から最悪は原子炉の破壊に至る、現在の状態のことだ。つまり大きな津波が来れば福島の原発がどういうことになるか、少なくとも4年前には一般に予見されており、東電がしかるべき対策を講じていれば、東電を信じて原発を受け入れた地域住民の多くが被爆し、少なくとも女川に至る広範囲の東北エリアに放射性物質を撒き散らし、いまに至るも原子炉をコントロールできず現場の作業員を原子炉崩壊と命がけの格闘をさせるようなことにはならなかったんである。そして最悪の事態が訪れたとき、その対応マニュアルはない。
被災地で見る月は、どんな色だろうか。少しは、悲しみの心を照らしてくれているだろうか。
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