今日のサザンビーチ と今日の放射線!?

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本日13時、茅ヶ崎モニタリングポスト(県衛生研究所内)で計測された放射線量は55nGy/h、そして17日朝9時の水道水の放射能濃度は不検出(たとえ0.49Bq/kgあったとしても)である。

そういやこの日記のエントリー一覧を見たら、「後悔の黒い塊」ちゅーエントリーがやたらアクセスされていた。きっと本文に「原発」っちゅー言葉が入ってたからだろうなあ。この、今日の放射線シリーズ(?)の日記では、なるべく原発とかいう言葉を使ってなかったんである。あくまでも個人の憶測に基づく好き勝手な日記だから、うっかりまともな情報求めて来られても困っちゃうし。(^^;; とはいえ、好き勝手なコトを書いちゃいるが、もちろんいい加減に書いているわけぢゃないのは言うまでもないわけだけど。

さて、毎日の放射線量は、毎時0.001マイクロシーベルトちゅー小さな数字の上下ながら、確かに微減方向にある。このままジワジワと下がり続け、やがて平常値に戻るっちゅーのなら、こんなステキな話はない。現に昨日、「東電は第一原発の収束に最大で9か月」とか道筋を発表したと報道された。この目論見どおりに行けば、年明けあたりには原発の事故も収束し、避難してたみんなは家に帰って平穏に暮らせるとでも言うのか。ワシ、そのニュース読んで、久々にクラクラ来ちゃったわ。

このblogで書いたかTweetしたのかもう覚えてないけど、いま東電がやってることは、炉心部そのものの収束作業ではない。まだまだそんな段階には進んでなくて、いまはまだいつなんどき暴れはじめるかわからない、原子炉の中身をなんとか制御しようとするための、その取っ掛かりを作ろうという作業だ。つまりまだ、うっかりすると燃料が再臨界したり、水素爆発、あるいは水蒸気爆発を起こして原子炉そのものが破壊され、放射性物質を広範囲に撒き散らしてしまう可能性が厳然と存在し、しかもその可能性が決して低いとはいえない状態なんだと思う。

ていうか、ワタシが勝手に思ってるだけだけど(ていうかこの日記は基本的に、すべてがそうなんだけど)、発表されるいろんなデータ見てたり、突然に出てこなくなったデータなんかから推測するに、実はすでに再臨界はあったんじゃないのかなー。溶け落ちた燃料が集まって臨界したり、拡散しておさまったり、そんでまた新しいのが溶け落ちてきて再臨界しちゃったりまたおさまったり、なんてことを、きっと小規模に繰り返しているんじゃないかっちゅー気がするなあ。
国際原子力事象評価尺度がレベル5から、いきなり2階級特進してレベル7になったとき、こりゃおかしいと思ったんだよ。確かにこの尺度は、1の基準が放出された放射性物質の量だけど、んなもん3月中旬にゃとっくにレベル6を超えてるのが明白だったわけだよね。しかし尺度の基準の2は炉の状態であり、これが東電や政府の発表のとおりならいまもレベル5、つまり原子炉の炉心や放射性物質障壁に"重大な損傷"があるっちゅーままなんである。
で、なにが損傷だよ、垂れ流してる放射性物質の量などから推測する限り、レベル6の"致命的な被害"だよなーとか思ってたんだけど、レベル7だとそれどころぢゃなくて、炉心や放射性物質障壁が"壊滅し再建不能"ということになる。なーんだ。とっくに再臨界して釜の底が抜けてたのかあ。そらー、レベル7になりました、と言うよなあ。レベル5だと言い張ったままで、あとでそんな事実がバレたら国際社会でなんの申し開きもできないしな......なーんて思っちゃったりするんだけど、さて、実態はどうなんだろう。

今回の東電の発表は、3ヶ月で原子炉そのものをカバーしたり、格納容器を水で満たしたり、サプレッションルームが破れた2号機はそのへんをコンクリで固めたりして、外部に漏れる放射線量がドカンと増えなくすることが当面の目標であり、ここまででステップ1。続く6ヶ月のステップ2で、やっとこさ安定的に炉心を冷やせるようになって、やがて原子炉を冷温停止に持っていく、という道筋だ。
しかし、東電のプレスリリースに目を通した限りでは、「燃料域上部まで格納容器を水で満たす」とか「グラウト(粘着質のセメント)の充填)の検討」なんて言葉が並ぶだけで、具体的な技術的説明はほとんどない。ロードマップと言えば聞こえはいいが、その内容をぶっちゃけて言えば、♪こんなこっといいな、でっきたらいいな、という夢や希望が書いてあるだけである。そこにドラえもんなんかいないのに、具体的なことがほとんど書いてない。

さらに、どひゃー、こらスゴイ、ホントに冷温停止できちゃったよ、ということになっても、それでフクシマから放射性物質が出なくなるわけではない。誰がどうやってやるんだか知らないが、最終的には核燃料を炉から取り出し、続いて残された瓦礫など汚染されたなんやかんやを、なんとかしないとならない。

これまでの原子力施策における核燃料サイクルでは、取り出した使用済み核燃料は、青森はむつ市にできるっちゅーことになって工事が始まったばかりの中間貯蔵施設に運び、そのうち六ヶ所村で動くっちゅーことになっている再処理工場に運び込まれて新たな燃料に生まれ変わる、という筋書きだったわけだけど、福島原発がレベル7の事故を起こし、福井じゃもんじゅがとってもヤバいことになってる現在では、もはや従前の核燃料サイクル政策など吹っ飛んだに等しい。六ヶ所村の再処理工場の話もぶっ飛ぶだろうし、そうなると"中間貯蔵"ちゅー名前の永久的核燃料捨て場にさせられることになるのが見え見えのむつ市だって、そんなもんを受け入れはしないだろう。そもそもフクシマに使用済み核燃料が山ほど貯め込まれてたのは、どこにも持って行く場所がなかったからなのだ。さて、この放射性物質のカタマリをどこへ持って行くっちゅーのか。汚染された瓦礫も、きっと最終的にはどっかに埋めるしか方法がなくなるだろう。どこに?

また、避難指示/計画的避難/緊急時避難準備区域に、人は帰れるのか? 東電のリリース見ると現状は、モニタリング方法を検討中だ。そしてステップ1でモニタリング方法を検討・着手し、ステップ2では当該エリアの放射線量を十分に低減する(対策:帰宅家屋や土壌表面等の除染を検討・着手)と書いてあるだけだ。
おーい、いったいどれだけの面積があると思っているんだ。半径30kmの外にある飯舘村でさえ、チェルノブイリの避難基準を大きく超える汚染が確認されているほどに、半減期30年のセシウム-137に汚染されたエリアが広がっている。仮に半径30kmの範囲に絞り、大ざっぱに半分が海だとして、モニタリングして除染しなければならない面積は約1400km2。11市町村に渡る広大なエリアだ。汚染されてすぐになら、まだ農地の土壌の上10cmとかを除去すれば除染も可能なのだろうが、長期化し雨に打たれれば、汚染はより地中深く染み込んでいく。愛着が深い家屋やクルマなども、除染するより解体・撤去した方が早くコストも低いというエリアが多いだろう。そして忘れてはいけないんだけど、この除去した土や解体した家屋や財産も放射性物質だということだ。つまり、表面からはぎ取った土も、解体した家屋の廃材も、どこに持って行くのか、という問題を避けて通れないんである。

となると、これはある意味で原発がポーンと行っちゃうのにも比肩する最悪のシナリオだが、いちばん手っ取り早いのは、あのフクシマをそのまま、核燃料や汚染された廃棄物の処理場にしちゃうことだろう。どうせ原発は廃炉だ。そしてその半径が何km2になるかはわかららないが、どうせ中心部あたりは何年も何年も、人は近寄れない。もう、現実的にはそれしか方法がないだろう......。と、そんなことになる可能性も、決して低くないような気がする。

あのころ"共産主義"とか呼ばれた独裁システムなら、無知な人民を作業員として大量に高汚染エリアへ送り込んだり、無辜の住民を一方的に強制移住させるなんて人権無視もできちゃったわけだけど、この国ぢゃそういうわけにもいかない。東電の勝俣会長は避難住民の帰宅に関して「ステップ2の段階で、ある程度のことが分かるようにしていきたい」と言い、枝野官房長官はそれを追認したそうだが、もうちょっと現実を見たほうがいいんじゃないのか。ドラえもんにお願いするような夢を見るのは勝手だが、いまの非常な苦労を強いている避難住民の人々の切実な願いに対して、根拠の薄い夢を見させてもしそれが打ち砕かれたとき、いったいなんと言って詫びるつもりなのだ!?