メリメリと音を立てるように天候が回復してきたサザンビーチ。いや、音をたててるのは風か。なかなか強力な風が吹き続けている。明日はかなり暑くなるんだろうなあ。上の写真は午後1時前、下の写真は午後3時半ごろ。今日13時の線量は50nGy/h。14時に49に下がったが、17時はやっぱり50nGy/hである。
それにしてもこの政権はなにをやっとるんだ。会期中に震災が起こってから3ヶ月ちょっと。成立した震災関連法案はもしかしたら昨日の復興基本法案だけか? なにが書いてあるかっちゅーと、1に復興庁なる役所を作るってことと、2に復興の財源に復興債を発行することと、3に被災地を復興特区に指定することである。で、それが閣議決定したのが、既に震災から2ヶ月後の5月13日。そんなこたー今月はじめに与野党合意してたんだけど、復興庁をいつ作るかとか、復興予算を特別会計にするのかどうかなんて調整に昨日までかかったんである。さらに、基本法案てのは、言ってみればただの理念である。具体的な内容はナニもない。これでようやく、復興に関するいろんなことが端緒に付けるってことなのだ。まったくこの国の立法府の人間どもは、110日弱もの時間を費やして、いったいなにしてるんだろう。コンピュータ監視法案も障害者虐待防止法も、どうでもいいとは言わんけど、避難所で明日をも知れぬ暮らしをしている人々が多数いる事態を前に、放射性物質を撒き散らし続けながら収束の方向さえ見せない原発を前にして、時間を割いている場合なんだろうか。
そしてとうとう、今日一日、本会議は開かれなかった。ねじれ国会など関係ない。与野党がほぼ合意していた国会の延長について、首相と民主党の調整が付かなかったんである。いや、あのね、ホントに。
神戸の地震のとき、後手に回る対応を叩かれて「はじめてのことじゃから」なんてノンビリしたことを言ってのけた村山首相。あのときは自民党が二人羽織のような政権運営で、なんとか1ヶ月少しで基本法を成立させたのだった。そういう意味では、前回の総選挙で政権交代を願った人々の大半は、きっといま忸怩たる思いを噛みしめているに違いないけれど、しかしそもそも、原発の事故の元を作ったのは自民党である。うっかり自民盤石体制のときにこれが起こっていれば、責任のナニもかもがうやむやに葬り去られた可能性も高い。正力松太郎などとともに日本の原発を推進した中曽根大勲位も、まったく他人事のような記事を文藝春秋に書いてたようだしね。
しかし、ほんとにこの国は、歴史に学ぶのがヘタクソな国だなあ。これって、政争のネタとして統帥権干犯などを持ち出して自ら政党政治の手足を縛って対米英開戦への道を走ったり、戦争末期に保身と混乱から政争に明け暮れ、国家としての意思決定ができないままにズルズルと日々を費やし無為に人を死なせ、天皇の聖断でようやく敗戦させてもらうことができたあのころの政府となにひとつ変わることがない。だから、都知事が、こんなことなら軍政の方がいいとか言ったり、ホントにその方がいいかも、なんて思っちゃうようなことになるのだ。クーデターとか政変起こってもめてどうにもならなくなると、国王が出てきて裁断下してくれるタイとかがうらやましくなっちゃうのだ。
ほんとに日本って、ちょっと国難に当たると、黒船が来て外圧喰らってとっちらかり、天皇の親政に戻せということになった維新の時期の江戸幕府と同じになっちゃう。つまり乱暴に言っちゃえば、やっぱこの国に、ホントの民主主義は根付いてないし、もしかしたらそもそも日本人って、国民の性質として、民主主義が向いてなかったりするのかもなあ。