今日朝9時の線量は0.043μSv/h。そしてこの24時間は、42〜58で推移していたようだ。ピークは深夜の1時。ずっと雨模様だった夜は、ずっと数値も高めで推移している。
原発にもいろいろあって、今回ぶっ飛んだフクイチがそうだったように、日本には多くの古いタイプの原発が動いている。アメリカが分類するところの、第二世代っちゅーヤツだ。第一世代中ーのはいわゆる研究炉なので、実用された初代が二代なんである。新幹線なら、いま走ってる車両なんかほとんど第七世代(500系や800系も含めればw)だけど、原発の世界では、とっくに引退した0系が、毎日全力で走り回っているようなもんなんである。
この原発作ったころ、原発の寿命が来る40年後には人類も進化して、きっと核廃棄物なんかチョイチョイと処理できちゃってるだろう、なんてクソ脳天気な発想でスタートしたわけだけど、実際にはその進化は亀のように遅くて、第三世代と呼ばれる原発が登場したのは90年代後半に入ってから。そして人間が手出しできなくなっても原発が自分で自分を冷却できる”受動安全装置”をECCSに全面的に取り入れた第三世代+など、最近やっとこ建設許可申請が出されたり、認可が下りようとしていたり、なんて状況のようだ。
もちろん第二世代の原発でも、30年以上作ってりゃいろいろ改良もされてるわけだけど、改良といっても、それが安全のための改良だとは限らない。コストダウンのためだとか出力向上のための改良だってあるし、そのために安全性が犠牲になっている部分だって、もしかしたらあるかもしれない。
しかも日本の企業はその悪しき体質として、新しい安全技術が生まれても、それを古い原発にまで積極的に導入しようとはしない。なぜならすでに認可降りて動いてて、法的になんの問題もないものに余計なコストなどかけたら、儲けが減るだけだからだ。現にフクイチだって、新しい研究データが出てきて、建設時より高い津波の危険性が指摘されても、防潮堤を高くする程度のバカみたいに簡単な対処さえ施さなかった。だからポンプが飛んだときのために重力で上から水を流す、という程度の技術ができても、東電や関電が原発止めて配管やり直すとか、建屋を建て替えて上に貯水タンク作るとか、そんなことするはずがないんである。
さらに第三世代+でECCSに受動安全を取り入れたといっても、その目標はおおざっぱに言ってしまえば、72時間、何とか持ちこたえること。それだけの時間を稼げれば、人間が何らかの手を打つこともできるだろう、という発想なんである。自動で動いたECCSが持ちこたえてる間に、人間がなにもできなかったら、やっぱり原発はメルトダウンしちゃうんである。水が無尽蔵にある前提でも、電力線、バッテリー、ディーゼル発電機などをバッチリ用意しないと、結局原発は飛んじゃうんである。さて、かなりの幸運に恵まれた福島でのケースでさえ、72時間で人間がなんとかできる体制を整えられたかどうか疑問な部分も多々あるわけだ。もっと激甚な災害に見舞われていたら、きっとその程度の時間ではどうにもならないだろう。自律的な受動安全をうたうならば、異常時に完全に外部から閉鎖され、完全に自己的に冷温停止を維持できるまでに持って行けないとダメなんじゃないのか。
まったく人類は、この50年、なにをやってきたんだろうなあ。なんだか暗澹たる気持ちになってきちゃうなあ。ちなみに日本にある第三世代の原発は、たった4基だ。それ以外は、おおざっぱに言っちゃえば、みーんな0系である。
例えられている0系は無事故の優良製品だったので、長らく現役でも問題なかったんですけどね…。