友人が息子さんを職場の事故で亡くして、お通夜である。読経もないお別れの会。息を止めてしまった息子さんの棺の横で、もう、そいつの手を握っているだけ。かける言葉なんか、なにもない。頑張れよ、なんて言うバカバカしさなんか百も承知なのに、他になにも言えない。頑張ってるヤツに、頑張れよなんて言ってもしょうがないんだけど、生きて行くには、頑張って生きていくしかないときがあるんだと思う。頑張れよ、なんて言われるバカバカしさなんかわかってても、やっぱり頑張れよ、と言われたいときもあるんだと思う。そうとでも思わないと、こんな夜は涙を抑えられないのだ。