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あの年の今日、多くのことが変わった。あまりにも多くの人が亡くなり、数え切れない生活が失われた。そして、日本は核汚染された。
あれからわたしは、放射線量をチェックするのが日課になった。恐いからじゃない。数値が上がったら逃げられるように、というわけでもない。そこに、いま、以前と違う放射線量が計測されていることを、忘れないために、だ。それは、安全神話を信じて、というより、原発の存在やその危険性などを認知することすらせずに、無自覚に電気を使ってきた自分に対する、一種の戒めのようなものだった。そして毎日、数値の日記を書いた。
2017年の秋、そんな日記を書くことに一区切りつけたけれど、福島の原発は、あれからほとんどナニも手がつけられていない。そしてわたしをはじめ、いまここにいる人間の大半は、あの歪んだ原発群の収束を目にすることなく、この世からいなくなっていくのだ。
茅ヶ崎の今日朝9時の放射線量は、0.037μSv/h。そしてこの24時間は、36〜48μSv/hで推移していたようだ。浪江や大熊あたりでは、2020年の今日も、数マイクロ/時なんて場所がごろごろしている。もちろんゼロカンマ、とかは付いてない。
