とても高いところを、トンビが何羽か、舞っている。
あの、ニューヨークWTCビルの映像は、ホント死ぬほど驚いたなあ。遠目に映像が目に入ったとき、はじめは、小型機の事故かと思ったもんな。乗客のせた旅客機ハイジャックして、わざとビルに突っ込むなんて、ワシの想像力では、もう彼岸の彼方だ。誰が考えたんだろう。ワールドトレードセンターに突っ込んだ映像があまりにも強烈で、しっかり印象に残っているが、実はさらに1機がペンタゴンに突っ込み、さらにもう一揆は議事堂かホワイトハウスを目指したものの乗客の抵抗に遭ってペンシルバニアに堕ちた。
そんな事を考え、実行できる、人間の愚かさ。原子爆弾を都市に落とすとか、風の強い日、木造家屋の密集地を狙って焼夷弾を落とすとか、なんてのもそうだし、600万もの無辜の人々をガス室に送り込んだホロコーストもそうだし、ポル・ポトにしろスターリンなんかもそうだし、もちろん日本だって、過去無数の、いま思えば信じられないような行為を、繰り返してきたんだろう。
トンビは、あの高空から、ネズミやカエルを発見する視力を持っているそうな。あの日、旅客機のコックピットから、客席の窓から、どんな空が見えていたのだろうか。