荒野を走ってるだけで満足なワシだが、まゆみん退屈なだけ。でも、大丈夫。今日はちゃんとした目的地があるのだ。それがバーストゥから遠くないキャリコというゴーストタウンである。
ハタチのころ、アリゾナのツーソンの近くのオールド・ツーソンというのは行ったことがあるけど、あれは本物の(?)西部劇のセットをもとにしたテーマパーク。町を歩いてると、銀行からギャングが飛び出してきて、いきなりシェリフと撃ち合いになって、屋根から打たれた奴が転げ落ちてくる、なんてショーも茶飯でやってて、サザンパシフィック鉄道に乗れば列車強盗に襲われ、駅馬車に乗れば山賊に襲われる。そんな、ウェスタンな遊園地。ロケ場所としていまも撮影に使っているし、スタントマンや役者もいっぱいいる。まあ、京都の太秦映画村のようなものだ。
こっちは、結果的にはレプリカの建物ばかりになっちゃってはいるが、ゴーストタウンであることはホンモノ。19世紀末、4人の山師が銀を発見し、銀鉱山として栄え、一時は3500人もの人口になり、wikiによれば“週刊新聞が発行を開始し、ホテル3軒、雑貨店5軒、肉市場、バー、売春宿、レストランと下宿屋が3軒でき、郡は学区と投票所を設置した”けれど、連邦法が変わって銀の価格が下落し、採算が取れなくなった銀鉱山は捨てられ、20世紀になったころには町がうっちゃられた。んで、いまはオールド・ツーソンのような、一種のテーマパークになってるわけなのだった。
じゃ、ホンモノの建物はどこ行っちゃったかというと、なんとナッツベリーファームの中のゴーストタウンがそれなんだという。どっちも、ナッツのオーナーのものだったそうな。
繁栄のころには、キャリコの鉱山からダゲットまで掘り出した鉱石を運んでいたナロー鉄道もあったそうで、このカリコ・オデッサ鉄道はその再現なのかな。
あちゃらのwikiで拾った写真。キャリコのシルバーキング鉱山の工夫たち、というキャプション読むと、機関車がエミルちゅー名前だとまで書いてある。向こうの研究者、すごいなあ。
そこらをちょろっと回るだけだろう、とかナメてたら、結構変化に富んだコースを走るし、列車強盗にこそ襲われない代わりに、しっかりキャリコの歴史についてお勉強できるのだった。
当時の家(?)の中を覗いてみた。ベッドはともかく、このシンクは違和感ありまくりだな。