今日朝9時の線量は0.040μSv/h。そしてこの24時間は39〜41で推移していたようだ。ちょい古いニュースだけど、原発がぶっ飛んだときの菅直人の東電でぶち上げた演説を史上最低とこき下ろした寺田学首相補佐官に対する事故調の調書も公開されたわけだが、それによれば菅直人は、必要があれば再び現場に来て陣頭指揮をとるつもりだったという。
いつ、大量被曝するような事態に陥ってもおかしくない現場。その寺田も随行するのに「恐怖感がなかったと言えばうそになる」という、いままさにぶっ飛ぼうとしている原発。そんな事態を引き起こした東日本大震災では、地震と津波で1万8千人以上が犠牲になったわけだが、菅直人は”まだ誰も死んでいない”原発をなんとかしようとした。文字通り、生命を賭して。
で、そんな判断が正しかったか、それとも誤りだったか。それは歴史が決めるだろう。菅がいまボロクソいわれるのは、言ってみれば政争の一環である。で、ワシが言いたいのは、菅が正しいとか間違ってるとかいうことではなく、珍しく大蔵出身などではない”原発をワカッテル”一国の首相が、そこまでの危機感を抱いたということだ。道路や建物、田畑インフラが壊れたり流されたり、多くの人命が奪われることも、もちろんダメージは計り知れないが、それらは人間のライフスケールで回復させることも不可能ではない。しかし核汚染で東日本が壊滅したとき、そこは世紀を超えて人の立ち入れない場所となり日本を滅ぼすだけではなく、人類の運命さえ左右しかねない厄災となるだろう。と、菅直人は、そんな、ものすごい危機感を持っていたのに違いない。
吉田調書がバラされたことを契機に、事故調の資料がいろいろ出てくるようになった。いまの政権は彼らが抱いた危機感に対して、あえて見ないふりを決め込むつもりのようだ。