クルマでの帰り道。繁華街を抜けて細い道路を右に曲がったら、路面にミョーな気配がする。最徐行して避けながらよく見ると、黒い路面に黒ずくめのオッチャンがなにかブツブツ言いながら転がっている。どうやら酔っ払いのようだ。まあ歳末だしな。月曜の深夜でクルマは多くないけれど、しかしこのまま放置したら、そのうちうっかりしたクルマに轢かれるだろう。警察に電話して保護を頼むか。と、少し離れてクルマを左に寄せながらミラーを見ると、ミニバイクがやってくる。しまった、止めなきゃ、と思う間もなく、オッチャンにそのまま乗り上げて、跳ね上がって転がるバイク。あー、失敗した。事故で倒れていた可能性もあるんだから、後続車が来ちゃう前にバックして、オッチャンをガードするようにクルマを止めればよかったか。とりあえず、相変わらずなんかうめいているオッチャンの状況がひどくないのを確認し、ぶっ転けたバイクのニーチャンにケガの状況を聞いて、110番で事故の連絡と救急車の要請。そこから緊急車両が来るまで交通整理して、やがてやってきた警官に状況を説明したりで小一時間。それにしても自分のアタマの悪さに忸怩たる思いだ。ワシがもう少し機転が利く人間なら、防げた事故だったのに。
