ドゥカティのマイク・ヘイルウッド・レプリカ(MHR)である。キックスターターレバーの付いてる、古い方である。遠い昔、まだ新車が売ってたころ、コイツに乗ってたなあ。ほんっとに、美しいバイクだったなあ。休みの日にベベルギアのカバーあたりなんかを磨いていると、もーそれだけでシャーワセな気分になれたなあ。でも、乗るととにかくハンドルが遠い。スリムではあるが、すり抜けに根性がいる。渋滞なんかにはまったひにゃ、たまに路肩に止めてクラッチ握る指を休ませたりしたこともあったなあ。あ、そりゃワシに根性がないだけか。(^^;そして、とにかくハンドルが切れない。当時、狭い道ばかりの住宅街に住んでたワタシは、家の前ではもちろんUターンなどできず、通り過ぎた路地をまず右に、次を左、さらに左、左と曲がって家の前にバイクを止めてたけど、そういう路地を曲がるのは、もう曲がった先になにも障害がないことを祈って、エイヤと倒し込んで曲がってたなあ。アホだなあ。アホだけど、たとえば首都高とか、内堀通りの警視庁あたりとか、あのくらいのRを、120くらいで回りながら開けていくときの、あのトルクの出方は、もー、なんちゅーか、筆舌に尽くしがたい快感。その一瞬が訪れるとき、ほかのすべての苦労が報われるのだった。