ケンコーのミラースコープである。訳したら反射望遠鏡とかの一般名詞になりそうだけど、商品名らしい。登場時には500mmと300mmがあったらしい。昔はニコンもキヤノンもラインナップしてたミラーレンズだけど、いまやケンコー/トキナーと、タムロンにあったかな、って感じか。
C90 MAKにしろPICO-8にしろC-8にしろ、ワシの持ってるカセグレンな望遠鏡は主鏡移動でピントを合わせるが、その方法は筒の後端(カメラ付けりゃボディ側)に飛び出したノブを回すというものだ。筒が三脚なり架台に固定されていれば(ていうか天体望遠鏡なのでそれが当たり前の使い方なんだけど)なんの問題もないわけだけど、手持ちでナニかを撮ろうと思うと、左手で筒を、右手でカメラボディを持って指をシャッターにかけると、あっ、ピントを合わせる手が足りない、ということになる。なのでC90 MAKの場合は置きピンである。より小さなPICO-8はカメラ持った右手の小指がノブに届いて回せるんだけど、ノブの遊びが多いのかミラーシフトがでかいのか、ピンの山をちょいとでも過ぎちゃうと、ノブを1周以上戻さないとピンが返ってこない。やっぱヘリコイドでピンを合わせたいなあ、というのが、ミラースコープならできちゃうのだ。ただしヘリコイドが筒の先端なので、ホールドしながら回すのは指が曲芸を強いられるが。それに、ヘリコイドで回転しながら前後するのは補正板と副鏡部。補正板、回っていいのか。ていうかシュミカセじゃなくて、これはただのガラス板なのかな。
接眼部にはアイピースがねじ込みで刺さってて、ネットに31.7mmで差し替えができるという情報があったけど、未確認。アイピース部の周囲にもタップが切ってあるから、ナニか他の接眼筒でも付けられるのかもしれない。
で、その接眼部が刺さってるのが、45度の地上プリズムユニットで、その内側のリング(ロックネジが刺さっている)には三脚座がついてて、そこから先端側が、いわゆる本体。三脚座から後ろを外せばM42のリングが現れて、そこに各種カメラ用のマウントアダプターをねじ込めば500mmの望遠レンズになるというわけだ。
ただ、M42だちゅーのもネット情報だけど、これがホントならピッチが1mmのプラクチカマウントだから、一般の望遠鏡などで使うTマウント(ピッチ0.75mm)は使えない。落札したヤツには、なんと接点が取り付けられた”EOSフォーカスエイドマウント”なるものが付いてて、ピンが合うとボディが電子音を鳴らしてくれる(ついでに絞り優先AEも使えちゃうけど、思い通りの露光にするにはマニュアルの方がよかった。(^^;)という便利さ。ワシはニコンも使うのでWebを探したら、ケンコーのピンホールレンズなんてマニアックかつニッチな商品のためだけに、Pマウントが存在するようだ。いまのうちにニコン用を買っておくべきかなあ。また、これまたネット情報では、1.5倍のバーローレンズが付いてるのもあったけれども、これには付いてない。オプション品だったのか、標準品を過去のユーザーが紛失したのかは不明。
てなわけで、カメラボディに本体だけを装着すると、こんなサイズ。ちょいと太いけど、ほとんど標準系ズームレンズを付けた程度の長さと重さである。焦点距離900mmのPICO-8の半分以下、60mm/F240mmのガイドスコープよりずっとコンパクト。問題はレンズ取り外しボタンが押しにくいことくらいだ。