今日朝9時の線量は0.040μSv/h。そしてこの24時間は38〜40で推移していたようだ。
毎日などが報じていたが、東電が除染費用の負担に応じていないようだ。特措法的には東電が負担すると決められているが、13年12月の閣議決定に書かれていない、という、言ってみれば言葉のスキマをついて、東電広報室は「関係省庁と協議しながら適切に対応していく」という解答ながら、つまりカネを払う法的根拠はない、という態度のようだ。そしてその態度は、同じ穴の狢である経産省の「指導」に基づくというわけだ。
そもそもの閣議決定というのは、コレである。問題の部分は「また、実施済み又は現在計画されている除染・中間貯蔵施設事業の費用は、放射性物質汚染対処特措法に基づき、復興予算として計上した上で、事業実施後に、環境省等から東京電力に求償する」とあって、経産省と東電は”未実施で、かつこの時点で計画されていない費用を東電が払うとは書いてない”と主張しているわけだ。まあ、小賢しい役人らしい主張だとしかいいようがない。こういうのを目敏く見つけてきて、省益をゲットするのが、出世する役人なんだろう。いわゆる”東大話法”だ。
ふざけんな! 特措法、もう一度読み直してこい、このクソバカ!
と、そんな一言でこの問題を解決できない理屈が、ワシにはよくわからないんだが。
まあそもそもこの閣議決定自体が、読めば読むほど玉虫色で、さすが烏合の衆だった民主党政権の閣議だとしか言いようがないわけだが、この閣議がもし自民党政権下であったなら、よくて似たような内容、実際にはもっと悪くて、おそらくは被害者より、もっと東電や産業界寄りの内容だっただろうと思うと、ホント暗澹たる気分になってくるわけだ。
それにしても、問題はその除染である。このPDFにもあるように、原発ぶっ飛び事件から9ヶ月後の時点での環境省の試算では、”実施済み又は現在計画されている除染費用は約2.5兆円程度、中間貯蔵施設の建設・管理運営等の費用は約1.1兆円程度”だったわけだけど、既に現時点で除染費用は2.5兆を大幅に超えた。それでも、ほとんどのエリアで、人が元通りに暮らせる環境にはほど遠い除染状況だ。環境省は、森林などの除染放棄を宣言したが、福島県はもちろん噛み付いてくるだろう。
でも、除染なんて、もしかしたらみんなわかってて言わないなんだろうけど、砂漠に水まいてるようなもんだぜ。政府が除染済みと宣言して避難指示を解除しても、みんな戻らないんだから、既に2.5兆、ドブに捨てたようなもんである。現段階で10年総額11兆円とか予想されている復興予算の、何兆円が除染費用なんだか知らないが、費用対効果で考えれば、実に効率の悪い支出になるだろう。仮に3兆あれば、汚染エリアの全住民を移住させて10年くらい生活基盤を支えるくらいできちゃうんじゃないのか。
ふるさとを追われ、生活基盤を失った人々に対して、実に冷酷な物言いをしているようで、ホントいやな気分になるわけだけど、核汚染は、津波で家が流されたのとはわけが違う。核物質の放射線は、現在の人間の科学力では止められない。それができるのは、世紀を超えた時間の流れだけだ。