今日のサザンビーチ と今日の放射線量

今日朝9時の線量は0.040μSv/h。そしてこの24時間は38〜39で推移していたようだ。
つい先日、年間1mSvという基準に科学的根拠はないなどと発言して笑いものになった環境相もいたが、産経の記事、被曝リスクを検証するというシリーズの「科学的根拠を聞き入れず不安ばかりに駆られる福島の現状」はそれ以上に科学的根拠を無視(あるいはわざと書かない)記事だ。
記事の主旨は、小佐古敏荘東大教授(当時)が、政府の決めた上限20mSvを、こんな高い数値じゃダメだと泣きながら辞任したりしたせいで福島の人々が放射線の害を“科学的根拠なく恐れ”、20mなら帰還できるのに地元は1mを要求するようになっちゃった、という話のようだ。しかし、20mSvの被曝を恐れるのは、本当に非科学的な話か?
そもそも内閣官房参与の東大教授が、政府の決めようとする被曝上限に異を唱えたのである。そして小佐古教授、もちろんトーシロではない。それどころか東大原子力工学科に学び、院から原子核研究所の助手になり、東大原子力研究総合センターで助教授、東大大学院の工学系研究科原子力専攻にて教授に昇任した、放射線安全学の第一人者。しかも基本的に、いわゆる“御用学者”だった人物が、「私のヒューマニズムからしても受け入れがたい」数字だと訴えて御用を離れたのだ。カネも出世もラクチンな政府御用達を蹴り、20mSvの被曝を「自分の子どもにそういう目に遭わせるかといったら絶対嫌です」とまで言ってのけたのだ。こんなチョー科学的な意見と、政府のご都合主義に塗り固められた基準の、人は一体どっちを信じるというのか。もう、ノーチョイスだろう。
さらに、産経の記事は福島の生協の独自調査結果なる数字を“不安を払拭するデータ”だというが、少なくとも記事の上では、1週間の積算線量だっつーだけで、サンプルの場所も測定方法も測定機器も、風向きも天候もさっぱりわからない”非科学的データ”である。つまり、詳細に書くと作為がばれちゃうから、書かなかったんだろうな。
福島だって、強い汚染が全県に及んだわけではない。南会津なら今日朝9時に0.024μSv/hとか茅ヶ崎よりずっと低いし、当該の生協があろう福島市だって最も低い県土湯除雪ステーションの線量は0.021μである。一方、規制委のWebでは東京のデータは5カ所しかないが、羽田なら同時刻に0.037と“(低線量の場所の)福島より”高かったりするし、広島や岡山はどういうわけかもともと線量高めのエリア。三次なんか同時刻になんと0.093μだ。
友人も住んでいる飯舘でも、測定箇所の最も低い場所(大倉体育館)なら同時刻に0.157μで、それを24時間×7日間すると26.376μ。だから産経のデータの「福島では最大20.7μ……」ってのは、どんな低い場所で調べたんだという話だ。もうここまで来ると、この新聞、産業経済という名前通りの、ギョーカイのプロパガンダ紙だということなんだろうなあ。

Author: shun

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