今日朝9時の線量は0.039μSv/h。そしてこの24時間は38〜39で推移していたようだ。
関電は、自治体などへの説明に躍起だが、マスコミの報道は静かなものだ。ふつうに安全装置が働いて、ただ止まっただけと思ってるのだろう。福島の事件でなにも勉強しなかったに違いない。
スクラム(関電がトリップと呼ぶのはPWRだから)の理屈は、原発を止める一般的な方法でもあるが、実際に日本で起こった原子炉スクラムは、実はこれが4例目。3回目は2011年の1Fで、その前が2007年の新潟地震で柏崎刈羽、そして日本発の原子炉スクラムは美浜2号機の伝熱管破断で、緊急炉心冷却装置も作動している。つまり数十基の原子炉が40年動いている日本でさえ4件しか起こっていない、かなり特異な事故だと言えなくもないんである。
福島の一件でわかったように、原子炉スクラムはμ秒単位で作動し、あっという間に核反応を停止させる。しかし、原子炉はそれで停止しない。核分裂生成物の崩壊が長時間にわたって高熱を発散し続けるから、どんどん冷却して冷温停止の状態に持っていかないと、原子炉が止まったとは言えない。そして炉心の冷却手段を失った1Fの1〜3号機はそれでメルトダウン。溶け落ちた核燃料の再臨界まで心配される事態となったのだ。
今回は原発そのものがぶっ飛んだわけではないので、いまごろ関電は通常の手続きで、炉心を冷却し続けているだろう。しかし冷温停止したという報道はないので、炉心の温度は、まだ100度を超えているに違いない。と、その程度のことなら新聞の科学部なら常識だろう。なのにこういう抑制された報道しか出てこないということは、つまり、外圧であれ内部事情であれ、何らかのバイアスがかかってると考えるべきなのかもしれないなあ。