今日朝9時の線量は0.039μSv/h。そしてこの24時間は38〜39で推移していたようだ。
言うまでもなくワシは、地震の専門家ではない。もちろん原発の専門家でもない。ていうか、人に対してナニかモノを言えるほどの専門性を有する分野など、なーんにもない、ただのそこらの一般人である。強いて言うならば小学校で学級新聞を企画立案して自主制作したり、中高と天文同好会の会報を作ったり、大学からはアルバイトでタウン誌などの取材や執筆をしたり、んでやっぱり卒業後は物書き人生というわけで、文章をどうこうというのにはちょっとは慣れているかもしれない。
そんな目で、東洋経済Webの記事「大飯原発「基準地震動評価」が批判されるワケ」を読むと、いくつかのことが見えてくる。
まず、規制委の田中委員長が会見で島崎前委員長代理が「都合のよいデータだけを持ち出して」と言っていること。科学者としてデータを客観的に評価しているなら、都合のいい悪い、などという言葉は出てこない。相手が都合のいいデータを出してくる、という言い方をするのは、自分にとって都合が悪い、という意味である。都合があるというのは、双方か、少なくとも自分が、ある立場に属しているということである。相手の主張が、規制の甘さを指弾しているということは、つまり田中委員長は、自分が規制を甘いままにしておきたい立場に立っているということを、自分で言っているわけだ。
また、田中委員長は「熊本地震についてどう解釈すべきか、専門家の間でも決着がついていない。にもかかわらず(島崎氏が)一部のデータだけを先取りして、あたかもそれを真のごとくおっしゃるのは納得できない」とも言っている。これはつまり、解釈の決着が付いていないけれど、規制委が合格を与えた基準地震動では、熊本地震が説明できないと認めているわけだ。科学者として、規制委の委員長として、原発の安全を担保しようとするならば、最新の知見で安全性を評価し、新しいデータが現れれば規制の基準を速やかにアップデートするのが正しい姿勢だ。熊本地震という新たな地震による新データが得られ、以前に合格を出した基準では説明できなくなったら、科学者としてはめっちゃ不安になるんじゃないかと思うわけだが、田中委員長はそういうアップデートを放棄する。ついでに言うと、田中委員長は“一部のデータだけを先取り”とか島崎氏の主張をトンデモのように表現しているが、実はコッチの方法で計算しないとダメだと彼が言うのは、政府の地震調査研究推進本部・地震調査委員会が使っている計算式だ。
まあ、なので入倉・三宅式だの松田式だのの計算手法やその違いなんかサッパリわからんワシでも、ああ、つまり新しい計算式では大飯も高浜も再稼働できないんだな、ということだけはよくわかるというわけなのだ。