今日朝9時の線量は0.039μSv/h。そしてこの24時間は38〜39で推移していたようだ。
東電の数土文夫会長が本社で、広瀬直己社長は福島で、年頭挨拶を行った。「厳しいの一語に尽きる」と会長が言ったのは、経産省が事故対応費用を新たに21.5兆円と試算し、しかもその7割が東電の負担とされたこと。一方、同じ年頭挨拶でもTVなんかは、広瀬社長が廃炉への決意新た、みたいな報道だったり。その21.5兆を誰が負担するという話も、よくワカラン報道ばかりだった。
まあ、それは報道が悪いというより、元の発表がわからんというか、たぶん巧妙に、わかりにくくしているせいもあるのかも。そしてマスコミは、もはやそういう情報を読者に伝える溜めに最も重要だった、自社のフィルターなどとっくに無くしているし、そもそもそんなことをしたら情報元様のゴキゲンを損なうので、発表丸写しの理解不能な、あるいは読み手が“いい方”に勝手に解釈しちゃう記事になってしまうのだろう。
たぶん会見で配られたであろう東京電力改革・1F問題委員会の「東電改革提言(案)」を、記者の連中、ちゃんと読んでるのかなあ。たとえば「賠償制度が不備な中で福島原発事故が発生したことに鑑み、積立不足分を全需要家から公平回収する仕組みを整備する」とか書いているが、廃炉や賠償のための積み立てを不足させたヤツの責任はもちろん不問。つまり今回の問題を起こした連中はすべて、キッチリ逃げさせて、あとの尻ぬぐいを誰に押しつけるのか、という主旨しかない。また、7割16兆円を東電がどうやって出すのかも、数字の裏付けがあるような表組みの中を見ても、“腰を据えて抜本的な改革での対応”とか、根性があれば戦争に勝てる、みたいなことしか書いてない。
さらに柏崎刈羽の再稼働が賠償のカネを作る鍵を握る、みたいな報道のマスコミもいるが、これを見たら2機を再稼働させても年間0.1兆円しか効果が無いのだ。なんだ、たったそんだけかよ、とか思われると困るからか、その効果の意義として「廃炉・賠償のための対応を確実なものにする」なんて書き添えているが、1500億の効果を見込む送配電コストの削減など、他のすべての努力は、「廃炉・賠償のための対応を確実なものにする」ためのものである。まあ、1000億はもちろん小さな数字ではないが、16兆を40年で返すなんて夢物語(笑)の中で、紙面で見出しに特筆すべきウェイトの話とは思えない。たぶん会見でそこを強調するように仕向けられたのだろう。あるいは、そこを強調したい発表者の気持ちをマスコミは忖度するのだろう。