みかんに泣いた

瀧で、小ぶりなみかんをオマケに出してくれた。いわゆる温州みかん? 湘南産だそうな。

子どもの頃はいつも、冬にはコタツの上とかに、必ずあったなあ。よく2ブロック先にあった果物屋さんまでお使いに行かされて、籠に積まれたみかんを選んだものだ。甘いみかんを選ぶのが上手だと、母親に誉められたなあ。そんなみかんを、わいわい言いながら食べる、子どもの自分と、弟たちと、当たり前のようにそこにいた両親。みかんを剥いて、ひと房含んで噛みしめたそのとき、口の中に広がる懐かしい味の果汁と一緒に、そんなあのころの居間の景色が目の前にぶわっと浮かんで、思わず泣きそうになっちゃった。さすがに、泣かなかったけど。

それにしても、いつのまにかふだん、あまりみかんを食べなくなったなあ。たまに食べるみかんは、ブランドの名前だったり横文字だったり。手で剥けるヤツは、ほとんどなくなっちゃった。まだ、居間にコタツが出ているうちに、温州みかんを一山買ってこようっと。

Author: shun

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