86年に創刊されたRACING NEWSに関われたのは、ホントに幸せなことだったなあ。広告屋として、もちろんそれまでもサーキットに足を運び、ライダーに取材し、いろいろ書いてはいたけれど、ジャーナリストとしてサーキットへ行き、自分の目と耳と意思で、見て、聞いて、考えて、感じたこと、思ったことを読者に語りかける。そんなお仕事をはじめるきっかけは、このレーシングニュースだった。タブロイド判のレース週刊誌。もんのっすごく、ステキなコンセプトだったと思うけどなあ。残念ながらニッポンの書籍流通、いろいろ問題があってやがて結局中綴じになり、そのうちサイズもふつうになっちゃって、そして、消えた。もう、当時の関係者以外、知る人も思い出す人もいないだろうけど、こんな素晴らしい夢が、ちゃんとカタチになって世に出た時代があったことを、ここに書いておこうと思うのだ。ただ、黒い巨大なビニールのバインダーだけは、使えないヤツだったなあ。