茅ヶ崎BOTCHY BOTCHYのイベント終了後、アクリルのパーティションの除菌作業を手伝ってくれてるウチのバンドのメンバーさんである。感謝!
店のblogにも書いたけど、思えば去年の春先、コロナで真っ先に叩かれたのは、他ならぬライブハウスだった。でも、モノを知ってる人なら誰でもわかってるように、ライブハウスと呼ばれる箱には、二種類ある。それは、音楽を聴くためのライブハウスと、音楽なんかどうでもいいライブハウスだ。
コロナのクラスターになって、コロナの元凶は音楽だ、みたいな誤情報を日本全国に喧伝してくれちゃった“あの手のライブハウス”に行く人は、音楽を聴くことが目的でライブハウスへ行ってるんじゃない。じゃ、ナニしに行くのか。ただ、耳をつんざく大音響と、脳ミソさえ揺れそうな重低音に身を委ね、ピョンピョン跳びはね続けてたり、喉が枯れるまで叫んだり、モッシュとかいう押しくらまんじゅうに興じたり、密集した観客の頭上にダイブしたり、ヘドバンつってアタマぶんぶん振ってたり、と、まあ、そんな乱痴気騒ぎをしたくて行ってるである。ま、つまり、彼らの呼ぶ“ライブハウス”とは、あふれ出る若いエネルギーを発散するための場所なのだ。そんなところに流行病の保菌者が紛れ込んだら、感染爆発に至るのは当たり前である。
一方、BOTCHY BOTCHYはじめ、ワシらの知っているライブハウスは、音楽を聴いたり、演奏したり、唄うための場所だ。客席ではみんな座ってるし、ミュージシャンだって座ってるのが多い。リズムに合わせてカラダくらい揺れるかもしれないが、ま、動きなんかその程度だ。あと、拍手で手は動くか。
押しくらまんじゅうしたくても、それほど人はいないし、ダイブするジャンプ力もない年齢層が中心。アタマなんか振ったら、貧血起こして倒れるかも。それに誰かが演奏してて、みんながそれを聞いているのに、おしゃべりなんかしたら周囲の顰蹙かうだけ。相対的にお客さん同士の会話は少なく、だから居酒屋やレストランよりずっと感染リスクは低いはずの場所なのだ。
ところが、それが、世の中で一緒くたにされた。そして自分の善性を疑わないようなアホどもは、音楽やってる人間=コロナ禍を拡大させる悪人、とか、本気で信じてしまう。店のblogではちょい抑えめに書いたけど、アコギ背負って駅を歩いてたミュージシャンの女性は、実は罵声浴びせられたなんてモンじゃなく、ひとつ間違えば重大な事故につながるような、暴行と呼ぶべき被害に遭っているのよ。マジ、こわいぞ。
まー、あまりに多い「正義ちゃん」たちの存在や行動は、それはそれで大問題なんだけど、それはとにかく、とにかくワシらが関わってる方のライブハウスから感染者を出すわけにはいかない。なにがあろうと、BOTCHY BOTCHYに来たらコロナに感染しちゃった、なんてお客さまを、絶対に出すわけにはいかない。なので、BOTCHY BOTCHY、ちゃんと感染防止のための対策をいろいろやっているのだ。
さて、ここで濃厚接触者とは? WHO の「世界におけるCOVID-19 サーベイランスに関する暫定ガイダンスを参考とした国⽴感染症研究所の定義によると
●患者(確定例)と同居あるいは⻑時間の接触(⾞内、航空機内等)があった者
●適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護もしくは介護していた者
●患者(確定例)の気道分泌物もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が⾼い者
●その他:⼿で触れることのできる距離(⽬安として1メートル)で、必要な感染予防策無しで、患者(確定例)と15分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の状況周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。
となっている。ライブハウス的には、この4つめが重要。必要な感染予防策というのは、つまり、マスクのことである。つまり15分以上マスクしてなかった人が店内にいて、その人が感染者だったり、感染が発覚した場合、同じ時間に店にいた全員が濃厚接触者になってしまう、ということだ。これは行政が決めた基準なので、個人の考え方だとか、主義主張には関係がない。逆に言えば、全員、きっちりマスクしていれば、感染者が出たとしても、BOTCHY BOTCHYのお客さまとワタクシは、濃厚接触者ではない、ということだ。そして、それがすなわち、BOTCHY BOTCHYの死活問題に直結するのは言うまでもない。
というわけで、あなたが感染しないために、そして冗談抜きでBOTCHY BOTCHYの存続のために、みなさん、飲み物を飲む、フードものを食べるとき、そしてパーティションで仕切られたステージで唄うとき以外、店内では常時マスクを着用してください。うるさくて申し訳ないんですが、ほんと、よろしくご協力ください。