今日は押し寿司のテイクアウトである。例の問題が恐かったわけじゃなく、ラーメンと一緒に喰うのに押し寿司の気分だっただけである。しかしまあ、えらい話になっちゃったなあ。まあ、わさびテロや、流れてる寿司がされるいたずらは、皿にフタが付いてるくら寿司なら防げるが、湯のみだ醤油ボトルだになると、どこも、ナニもできない。
しかし、この手の、客のテロを防げない回転寿司って、どこがはじめたのかなあ。元祖である元禄寿司とか、昔の、っていまも新橋のたまに行く店もそうだけど、回転寿司というと、回ってるレーンの中につけ場があって、職人さんが3箇所くらいで次々と寿司を握っちゃレーンに乗せてて、「はいっ、回ってないヤツはご注文くださいよー」とか言ってたのが回転寿司だよなあ。背中側にも店員さんが立ってて、酒やビール、椀物などレーン内のつけ場が作らない注文を受けて、調理場から運んだりしてたよなあ。テロなんか、起こしようがない。ヘンなことしたら叩き出されるだけである。
寿司を、職人さんが握るものではなく、そこらのバイトが、機械が吐き出したオニギリに切りつけを乗せるだけのものにしちゃって、見栄え悪い部位だってネタにしちゃって、そんなつけ場、とはもはや言わないか、調理場か、は人に見せられないから厨房全体をマジック・ミラーで覆い、レーンだけを客席に突き出したのが、スシロー、くら寿司、かっぱ寿司、はま寿司など主流の大手だ。なんでそういう店が伸びたかというと、どこもとにかくなんだって1皿100円で、圧倒的に安かったからである。その手の店は、ビールジョッキさえ誰でも手を突っ込めるケースから自分で出す店もあるなど、人件費削減(てか寿司職人の削減が主眼か)のために客の性善説に頼りすぎてたわけだ、つまり今回のテロで“食の安全が損なわれた”のではなく、そこを放棄することで、これまで価格を下げてきただけの話なんだろう。客テロ問題は、回転寿司全体の問題ではなく、寿司屋なのに職人が見えない(職人がいない)店の問題だったんだなあ。