東銀座で、大阪のたこ焼きが喰える


先週末、ミョーな案内ハガキが某店に届いた。銀座にたこ焼きと稲荷寿司の店を出すという挨拶状である。その印刷文面の横に、サインペンで「私もお店がやりたくて……」という文字が。どっひゃー。差出人はFさん。この人、大阪で大学んときから写真撮ったり情報誌に記事書いたりしてた私が、東京で物書きになるチャンスを与えてくれた恩人であり、辣腕でその名を知られた広告営業マンであり、現在は銀座でそういうプロダクションを経営している人なんである。
で、言うまでもないことだが、ワシは大阪育ちである。天満天六界隈のたこ焼きを毎日のように喰って育ったんである。そんなワシのメートル原器は、天五うまい屋のたこ焼きだ。10円で5個とか6個買えた時代から喰い続けているし、あっち帰れば、よほどのことがない限り、いつもいつもいつもいつもいつも、と時系列でリンク張ったらざっと5つも並ぶくらいに喰っている。
いつ行っても、ここの味はブレない。なんでかっちゅーと、最後は愛が勝つからである(笑)。ワシの愛ではない。この店が、溢れんばかりの愛をたこ焼きにふりそそいでいて、一個一個を慈しみながら焼くから、一個一個がホントに美味しくなるわけである。
で、関西人が関東に住んで、あきらめるものがひとつあるとしたら、それはたこ焼きだ。うどんは、まだ店がある。お好み焼きも、なんとかならんこともない。しかしたこ焼きだけは、ダメなんである。これだけは、どこでナニをどう喰っても、まったく別の食べ物なんである。
以前も書いてるけど、そもそもたこ焼きなんて、大阪人が10人いたら10店のうまい店があるような、ジャンキーなソウルフードなんである。ガキのときから喰ってるモンがいちばんうまいのよね。だから、さすがにコッチに住んで、そんなもんまで求めちゃいない。ただ、ふつーの、そこらの店先で焼きながら売ってるような、平均以上でも以下でもない、どうでもいいようなたこ焼きでいいんだけど、それがないのだ。
昔、本気で探したことがある。そしたら下北沢の小さな踏切の近くに、その名も「大阪屋」というのを見つけた。間口半間、持ち帰りのみのぼろい小さな店で、意外にも若いにーちゃんが、愛を込めてたこ焼きを焼いていた。ここは、まぢうまかった。また行きたいと思ったし、何度か行ってもみたけど、二度とたどり着けなかった。あれは幻だったのか。って、そんなわきゃなくて、あまりにも道がわけわからなくて迷っちゃうんである。(^^;;; そしてわたしは、たこ焼きを食べない関西人になった。
そんなわたしに届いた、一枚の葉書。銀座でたこ焼き!? しかしこのFさん、そんなわけでタダモノではない。この不況の折に、どこでも喰えるようなたこ焼き屋を出すはずがない。い、行かねば。しかもOPENは月曜日。こりゃワシに来いと言ってるも同じぢゃないか。
というわけで久々に出かけた東銀座。この界隈に来るのも久々だし、このあたりに来てナイル以外に行くのはもっと久しぶりかも。もちろんFさんが焼いてるわけじゃなくて、島木譲二にちょいと似た、平野から来たFさんの相棒とスタッフが、いい加減の火でゆっくり焼いている。タネにシッカリ味が付いた、ナニも塗らずに喰えるたこ焼き。まあ、こっちで売る限りそういうリクエストはあるだろうし、いまどきぢゃ大阪でもやってるので、ソースにマヨネに削り節ってのもあるし、ポン酢なんてのもあるが、店のイチオシもわたしのイチオシも「そのまんま」である。
銀座ふくよし
中央区銀座3-12-19
03-6228-4004
写真の8個で500円。残念ながらおいなりさんは売り切れていた。東銀座からならメチャ近いが、一駅日比谷線に乗り換えるのも面倒だ。散歩がてら銀座4丁目から歩こう、なんてときは、銀座通りを1丁目向いて歩き、松屋過ぎたところを右。そのままてくてく行って昭和通りを渡り、一筋目を右に曲がればすぐ先の左側にある。たぶんAM11時〜PM10時。定休日は土日祝。

Author: shun

4 thoughts on “東銀座で、大阪のたこ焼きが喰える

  1. ジャイアンさん:
    あ、わざわざお越しいただきありがとうございました。
    しかしなんでたこ焼きネタに。(^^;;

  2. 金子さん:
    大阪、頻繁に行ってるんだったら、そっちで開拓した方が早いですよ。w

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