台風が海をいい感じにかき回してくれたからなのか、まるで沖縄とか、どこか南の島のような海の色だ。今日13時の放射線量は49nGy/h。台風がこっちへ向かってきてた2日間は、ちょっと東寄りだったけどかなり強力な海風が吹いていた。フクシマから流れてくる放射性物質を押し返す方向の風だったけど、茅ヶ崎での線量は変わらない。一方、この2日間は、下り坂なのに自転車が止まりそうになるほどの強い北風が吹いてて、フクシマからの放射性物質が押し寄せてきそうなもんなんだけど、やっぱり数字はほとんど動かない。49か50、たまに51って感じである。
1nGy/hという単位は、つまり0.001マイクロシーベルトだ。こんなに北から南から風が吹いても、その数字が1〜2しか変わらないって、どういうことだろう。建屋が飛んだときなど、政府がひた隠しにしたSPEEDIのデータや、ドイツ気象庁の風向きとその変化による放射性物質の拡散シミュレーションが、ほぼ実際の通りの核汚染を示していたように、この手の汚染拡散は風次第だ。火山噴火時の降灰とかと同じである。こんなにスゴイ風が吹いても影響がないということは、計測されている線量が直接フクシマから流れてきているモノではなく、そのエリア全体の環境的な線量であり、それが高いということは、環境由来の放射線量が既に底上げされちゃった、ってことになるわけだけど、実際にはフクシマを中心とした同心円的に、線量は下がっていってるってことになってる。このふたつは、矛盾してるように思うんだが。
そういや大マスコミも、まるで反原発のような顔をしつつ、その背中では、原発を失いたくない勢力の側面支援に力を入れている。脱原発依存を言い出した首相に対したある産経の記事など、見出しなんか「首相に不満「支離滅裂」「国益無視」」と、まさに産業界の代弁そのものだ。さらに「経団連の夏季フォーラムでは、丸紅の勝俣宣夫会長が「支離滅裂だ」とあきれた」とあるが、この勝俣というのは言うまでもなく、東電会長に居座って責任回避と賠償負担減額に奔走する勝俣恒久の弟である。経済界、血縁というダブルでの側面支援を、しらっとやらかしているのだった。ついでに言うと、東電会長勝俣のふたりの兄は元新日鐵副社長と日本道路公団元理事、つまりこういう人たちが実は役人を動かし政治家を動かし世論を動かし、日本を牛耳っているのだ。そして大マスコミのトップは、そんな人間たちの一員なのである。